先日、小金井市主催の保育園の園長会議で、「小児の感染症と検査の必要性」というテーマでお話をさせていただきました。
出席者は、小金井市にある約30の認可・認証保育園のうち、20以上の施設の園長先生や看護師、スタッフのみなさんでした。
今回は、医師会の学校保健委員の立場でお話しに行ったのですが、きっかけは昨年の秋ころに「保育園からRSウイルスの検査をしてこなければ、お子さんを預かれない」といわれた、という患者さんが多数来院されたことでした。
RSウイルス感染症は、特に乳児が感染すると重症化する可能性がある、注意すべき感染症です。ただ、一方で保育園に通うお子さんは2歳までにほぼ全員が罹患する、ともいわれており、かかった可能性がある人全員に検査をする性質の感染症ではありません。保険診療として外来で検査が認められているのも、心臓の合併症がある等の特別なケースを除くと、1歳未満のお子さんだけです。
ですので実際に外来では、月齢の若いお子さん(乳児)をはじめ、このままだと入院になってしまうかもしれないと思われるお子さんに限定して、検査を行います。
以上のようなお話を中心に、感染症とは、感染経路、予防法、小児科で遭遇する具体的な感染症、注意すべき特徴、検査が必要となるケース、等々につき、約1時間半にわたってお話をさせていただきました。
そしてその翌週には、さっそく患者さんのお母さん方から「保育園から”検査をしてくるように”とぱったり言われなくなりました!」という声が複数聞かれ、「こちらが伝えたいことが保育園のスタッフのみなさんにもしっかり伝わった」、と大変うれしい気持ちになりました。
保育園の現場でも、いろいろとわからないことや困っていることがあると思いますので、今後も引き続き、市や医師会と連携をとりながら、正確な情報発信に努めていきたい、と改めて思いました。