院長ブログ

HOME > ブログ トップ > ペアレントトレーニングVol.1

ペアレントトレーニングVol.1

新型コロナウイルスの流行で、お子さんと家で過ごす時間が増え、幼稚園や小学校に通っているお子さんをお持ちのお母さん方にとって、お子さんとゆっくりすごせる時間が増える半面、「世話をする時間が増えて、普段よりもかえって大変!!」と悲鳴を上げたくなる場面も多いのではないかと思います。

ついつい、こどもの行動にイラッとして怒ってしまうことも増えますよね。
そんなときに有効なのが、「ペアレントトレーニング」の考え方(*)です。

「ペアレントトレーニング」(以下「ペアトレ」)は元々は「発達障害」のお子さんの保護者向けのものですが、その考え方は、子育て全般に非常に有効です。

例えば混雑しているレストランで順番を待っている、という状況では、子どもたちが飽きて騒ぎ始めると、「静かに待っていなさい!」と注意してしまいますね。

しかしペアトレの考え方では、(よほど危険な行動に及ばない限り)注意したい気持ちをぐっとこらえ、自分で騒ぐのをやめた瞬間に「お!自分で静かに待てて偉いね!」と「好ましい行動」に注目します。

つまり、「好ましくない行動」は無視して、「好ましい行動」だけに注目することで、子どもの「好ましい行動」を増やしていくことを目指すものです。

詳細は、下にご紹介する本などを読いただくとして、このブログではポイントのみに絞って紹介させていただきます。

(第1段階):子どもの行動を3つにわけましょう。

こどもの行動を、
①「好ましい行動」(今していて/できていて、さらに増やしてほしい行動)
(例)「おはよう」と言う、歯を磨く、着替えをする、自分から宿題をする等

②「好ましくない行動」(今していて、減らしてほしい行動)
(例)騒ぐ、わめく、ぐずる、話に割り込む、へ理屈をいう等

③「危険な行動・許し難い行動」(人を傷つけるような行動、やめさせたい行動)
(例)自分や他者への暴力、暴言、物を壊す等

の3種類に分類します。
実際に、紙に書きだしてみるのがおすすめです。
書き出してみると、日ごろイラっとする子どもの行動の多くは、③ではなく②に分類されます。

ペアトレに興味のある方は、まずは、この分類(書き出し)にチャレンジしてみてください。
第2段階として、「①に注目し、②を無視する」練習をしていきますが、詳しくは次回のブログでご紹介します。

ご不明な点がありましたら、診察の時などに、お気軽にお尋ねください。

(*)江戸川区にある「まめの木クリニック」(全国的に有名な児童精神科専門のクリニック)で行っている「ペアレントトレーニング」を元にしています。
私も以前、こちらのクリニックで研修を受講させていただき、クリニックでも何度か保護者の方たちを対象にペアレントトレーニングを行っていました。
参考図書:
①読んで学べるADHDのペアレントトレーニング むずかしい子にやさしい子育て(明石書店)
②こうすればうまくいく発達障害のペアレント・トレーニング実践マニュアル(中央法規出版)
ご自分で独学するには、①がおすすめです。

042-387-1030