院長ブログ

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ペアレントトレーニングVol.2

10月は保育園、幼稚園、小学校で運動会が開かれたところが多かったですね。

私自身は子どもの運動会にお呼びでない世代となってしまいましたので、クリニックに来るお子さんたちが運動会を楽しみにしている様子や、「たのしかった!」と話してくれる様子を、とても嬉しく拝見しました。子どもたちの行事を楽しめるのは、親御さんにとっても限られた時期だけのとても貴重な経験ですので、学年ごとなどの制限はあったものの、多くの学校・園で運動会が開催できて本当に良かったと思います。

さて、前回のペアレントトレーニング(1)では、子どもの行動を3つにわける、ということにつき説明しました。
実際にやってみた方はいかがでしたでしょうか。

実は来年(令和4年2月5日(土))、小金井市の健康講演会(医師会館)でペアレントトレーニングについて講演をする予定です。この講演会は昨年行われる予定だったのですが、残念ながらコロナ禍のため中止となってしまいました。今度こそは実施できることを祈っています。さて、話を元に戻して…

通常、はじめて行動を3つにわける作業をやってみると、多くの方は「好ましい行動」がとても少なくなり、「危険な行動・許し難い行動」に分類されるものが多くなる傾向があります。

しかしながらペアトレは、「好ましい行動」に注目することでその行動を増やしていく、ということを目的としています。

「人にこんにちは、と言えた」(←初めは声が小さくてもOK!)

「苦手なものをちょっとだけでも食べた」(←全部食べなくてもOK!)

「自分から着替え始めた」(←多少ゆっくりでもOK!)

といった、ほんの些細なことでも、どんどん「好ましい行動」に分類していきましょう。

一方で、「危険な行動・許しがたい行動」というのは、実際にはそれほど多いことはありません。

「道路に飛び出す」、「友達を突き飛ばす」、「かみつく」など、放っておくと危険な行動にしぼりましょう。

今回のペアトレ(2)のテーマは「肯定的な注目を与える」です。

子どもの「好ましい行動」がみられたら、すぐに「肯定的な注目」を与えます。

「肯定的な注目」とは、ほめるだけでなく、励ます(例:頑張ってるね)、興味や関心を示す(例:お片付けしててくれるの?)、感謝する(例:ごみを拾ってくれてありがとう)、そっと肩に触れる(←ありがとう、と心の中でいいながら)というように、いろいろな注目の仕方があります。

肯定的な注目を与えると…

①子どもはいっそう頻繁にその行動をするようになります。

②子どもは認められていると感じます。その結果、

③他のことでも協力的になっていきます。

「ほめ方」のコツ

①タイミング:

課題が完全に終わった時だけほめるのではなかなかほめられません。してほしい行動を始めた時、しようとしている時、している時、指示にすぐに従っている時、してほしくない行動をしていない時…などに、できるだけ早くほめましょう。
→パーフェクトを待ってはいけません。25%(の出来)でほめましょう。(=「25%ルール」といいます)

②視線・からだの向き:

視線を合わせて。子どもに近づく、あるいは子どもを呼んで、子どもと同じ目の高さになって、ほめましょう。

③表情:穏やかな表情でほめましょう。

④声の調子:穏やかで温かみのある声、明るい声でほめましょう。

⑤ことば:メッセージは短く、簡潔明瞭に、皮肉・批判は避ける。(例:ご飯を全部たべたのはいいけど、もうちょっと早く食べられたらいいのに、は×。→全部食べたね!にとどめる。)

⑥行動をほめる:子どもをほめるのではなく、子どもの行動をほめる。

(例:「〇〇君は偉いね」ではなく→「"自分で着替えられて"偉いね」)

⑦効果的にほめる:子どもの性格や感じ方、年齢に合わせたほめ方を。

第2回は以上です。

もし余裕がある方は、

・ほめられた日時

・ほめた行動:(例)歯磨きを自分からはじめた。

・どのようにほめたか:(例)歯磨き自分で始めたんだね。

・お子さんの反応:(例)にこにこしながら歯を磨き、そのあとすぐパジャマを着た。

といったように、表にして書き留めてみてください。

042-387-1030