冬休みに入って時間が経過してきましたが、お母様、お父様、ご無事でしょうか。幼稚園や保育園、小学校がなくなるとお子さんとゆっくりと過ごせる時間が増える反面、かえって大変な場面も増える、ということもあるのではないかと思います。前回、令和4年2月5日(土)小金井市の健康講演会でペアトレのお話をする予定、とお伝えしましたが、残念ながら今年も新型コロナウイルスの流行状況に鑑み、中止となってしまいました。
非常に残念なのですが、気を取り直してブログで続きにあたるVol.3をUPしたいと思います。
1.前回の復習
ペアトレVol.2(10月31日のブログ参照)では、「好ましい行動」に注目することで、その行動を増やしていく練習をしました。
今まで「できて当然!」と思ってコメントしなかった行動をほめるのは、なかなか難しかったのではないでしょうか。
みなさん、お子さんのどのような行動をほめてみましたか?
お母さんがほめてあげたとき、お子さんはどのような様子でしたでしょうか。
お子さんが、予想以上に嬉しそうな表情を見せてくれていたとしたら、
「あれ?お母さん、いつもと違って叱らずにほめてくれた!」と思っている可能性が高いといえます。
ぜひ、今後も「25%ルール」で、好ましい行動が見られたらすぐにほめるようにしていきましょう。
さて、今回のペアレントトレーニングVol.3では、「無視」のテクニックをご紹介します。これができるようになると好ましい行動を引き出すことがかなり容易になってきます。
2.好ましくない行動を減らすために…「無視」をしましょう
①「無視」とは=注意を取り去って、好ましい行動が出てくるのを待つことです。
② 子どもの「存在そのもの」を無視するのではなく、子どもの「行動」を無視します。
③ 好ましくない行動を止め、好ましい行動が出てきたら、すかさずほめましょう。
④「無視する」⇒好ましくない行動を減らし、
「具体的にほめる」⇒代わりにどんな行動を望んでいるかを示します。
(注)無視すると、子どもは自分に注意を向けさせようと、一時的にその行動をエスカレートさせます。
しかし、ここで反応してはいけません。
徹底しない無視は、かえってその行動を増やすことになってしまいます!
(例)兄弟げんかを始めたとき
→(怪我をしそう、などの危険がなければ)けんかをしている間は見て見ぬふりをします。
→ちょっとでも、けんかが収まった瞬間があったら、すぐに「おっ!お兄ちゃん、自分からけんかをやめて、さすがだね!」などとコメントします。
→お子さんは、自分からけんかをやめたつもりはなくても、お母さんが「けんかをやめたことをほめてくれた」と思い、けんかをやめるでしょう。
→兄弟二人ともを、おやつに誘う等、別のことに関心を向けさせます。
3.「無視」のコツ
①タイミング:好ましくない行動が始まったら、すぐに無視し始めます。
②視線・からだ:子どもと視線を合わせないようにします。体の向きを変えます。
子どもの行動に注目していないこと、興味がないことを表面上は示します。
③メッセージ :普通で無関心な表情と態度をとりましょう。
(表情・態度・ことば・感情)
眉間にしわを寄せたり、怒っているそぶりは見せない
ため息をついたりしない
何も言わない、表面上はまったく何の感情も示さない
何かほかのことをして、感情をコントロールする
④ほめる準備をします:
→無視をしながら、子どもが好ましくない行動をやめ、好ましい行動を始めるのを素知らぬ顔でじっと観察しながら待ちます。
→好ましくない行動が止まったらすかさずほめましょう。
最も大切なのは、「無視すること」ではなく、好ましくない行動を無視している間に好ましい行動がでてくるのを待ち、出てきたらすぐにほめて、その行動を増やしていくことです。
ぜひ、チャレンジしてみてください!