今回は、夜尿症の薬物治療とアラーム療法についてです。
夜尿症について②でまとめた、「生活習慣の改善」、「水分や塩分のとり方」等を実施して、2~4週間経っても効果が不十分な場合には、薬物療法やアラーム療法を開始します。
①ミニリンメルト(夜尿症治療薬)の内服
就寝前約2~3時間の水分制限がきちんとできるようになったら、夜尿症治療薬であるミニリンメルト®OD錠(120μg)を使用します。まずは1日1錠から開始し、2~4週間で効果がない場合は1日2錠に増量して、さらに2~4週間効果を見ます。それでも効果がない場合は、②の治療を追加(または切替)します。
②アラーム療法
就寝中に、センサーを下着の内側に付けておき、排尿が少しでもあると、それを感知してアラームと振動で知らせます。この繰り返しにより、夜間の蓄尿量(膀胱に貯めることができる尿の量)を増やす効果があると考えられています。
ただし、アラーム療法では、夜中にアラームや振動音によりご家族が起こされてしまうため、チャレンジしてみたものの途中で断念してしまうケースも少なくありません。(実際にやってみた方にしかわからない苦労があります)
一方で、「①と②を併用したところうまくいった」という場合もあるので、チャレンジしてみる価値はあると思います。
③抗コリン薬の内服
①、②を6週間継続しても効果が見られない場合は、抗コリン剤を併用することがあります。抗コリン薬は、膀胱が過活動な状態(収縮しやすい状態)を和らげます。
なお、難治性の場合には、抗うつ薬を使用する場合もありますが、現在は薬の副作用を考慮して、小児への投与は控える傾向があります。
以上、夜尿症の治療の要点をまとめてみました。
文章で読んでいると「大変そうだな~」と思ってしまうかもしれませんが、実際に医師と一緒に一歩ずつ、お子さんを励ましながら進めていけば、きっと続けることができると思います。お子さんの笑顔を取り戻すために、どうぞ遠慮なく医師にご相談ください。
なお、詳しくお知りになりたい方は「おねしょ卒業プロジェクト」のHP:http://onesho.com/patient/をご覧ください。
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小金井市梶野町
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