健診や診療において、「離乳食をなかなか食べてくれないんです」というご相談を受ける機会がよくあります。今回は、チェックポイントとともに離乳食を進めるコツをまとめてみます。
1)お子さんは、お腹が空いていますか?
よくある「離乳食が進まない理由」の一つは、お子さんのお腹が空いていない、ということです。特に初めてのお子さんの場合、「体重をしっかり増やさないと!」というプレッシャーを感じるお母さんは多いかと思います。その結果、母乳やミルクでいつもお腹がいっぱいで、離乳食を欲しがらない、という状況が起こります。離乳食の前の母乳やミルクの量を減らし、空腹の状態をつくってからチャレンジしてみてください。
2)手づかみ食べはしていますか?
離乳食の手引きなどに詳しく書いてあるのは、お子さんの立場からすると「離乳食を食べさせられる練習」です。しかし、実は6か月を過ぎた乳児は、「自分で食べたい」、という欲求が出てきます。
そこでお勧めなのが手づかみ食べです。「6~7か月から」と表示された赤ちゃんせんべいやボーロなどを、赤ちゃんに持たせてあげて、口に持っていったらほめてあげると、お子さんは食べることがどんどん楽しくなっていきます。
もちろん、上手に自分で食べられるようになってくるのはもう少し後(9~10か月以降)ですので、初めはうまく食べれなくても大丈夫です。あせらず、自分から食べたいと思う気持ちをどんどん引き出してあげましょう。
ただし、ちゃんとのどにつまらせないで食べられるかどうか、しっかり見守ってあげてください。
3)楽しい雰囲気で食べていますか?
「たくさん食べてほしい」と願うあまり、1対1で、面と向かって眉間にしわを寄せて…となってしまうこともあります。せっかく用意した離乳食を全部食べてほしい、というのがお母さんの本音かと思いますが、1口でも食べたら上出来!と考え、お子さんの気分を乗せてあげましょう。
お母さんのプレートに離乳食を載せておいて、ママのものをあげたようにしてみたり、お父さんがいるときにはお父さんも一緒に食べるふりをしてもらったり、と、楽しい雰囲気を作ってあげると、楽しく食が進むことが多いと思います。
以上、いくつかポイントを上げてみました。ご不明な点は診察や健診時にお気軽にご相談ください。